成員の栞


新たなる人間と地球創造のために


キリストが、この地上界で人類救済の為にその偉大なる活動を始めるにあたってまず行ったことは、十二人の弟子達による「共同体」の形成でした。
そしてこの「十二弟子」という“礎”が、宇宙創造の神であるキリストがなしとげた、新たなる人間と地球創造の前提となったのです。
現在に於いても、キリストは、この地上のいたるところに、キリストの行為と業がより確実に成就する場として、人間の共同体を探し求めています。このような意味で「キリスト者共同体」は、キリスト御自身の地上での「体」と成るべきひとつの礎を形成する「成員」を必要としています。換言すれば、成員に成ろうとする人々、そして成員に成る人々がいなければ、キリスト者共同体は、霊的にも、そして地上的にも存在する事が出来ないのです。

共同体の発展と存続

共同体から自分が「何かを受けとる」だけではなく、共同体の発展の為に「共に働く」意志、あるいは共同体がこれからもずっと存続して欲しいと云う想いがあれば、誰でも成員に成る事が出来ます。
成員の役割として、次の事がいえると思います。

1)七つのサクラメントの挙行:
人間聖化式に成員として参列する事は、内的に司祭と共に、このサクラメントをとり行う事を意味します。
この事は、他のサクラメントやサクラメント以外の儀式の際にも同様にいえる事ですが、儀式の場に成員が参列する事は、その挙行の本質的な支えになるのです。
そして、その為の修練として「クレド」を生涯の研究テーマとし、「我らが父よ」を日々祈り、「福音書」に親しむ事によって、成員は「真のキリスト者」へと成長して行くのです。

2)キリスト者共同体の存続への意志と責任:
然し、サクラメントが挙行される為には、多くの地上的な要素が必要不可欠のものとなります。
祭壇や祭具・祭服、そして集会と礼拝を可能とする場所や、司祭の生活と活動の為の費用等、ここでは経済的な援助とそれに伴う責任が生じて来ます。
不規則的な寄附や献金だけでは、キリスト者共同体は、この地上に根を張る事は出来ません。それ故に、共同体の存続の為に、特に成員の人々による毎月の必要経費を担う献金が必要なものとなってきます。
しかし、キリスト者共同体の方から、一定の金額を要求する事はありません。
『経済の友愛』の精神の下で、自由な形で『自己申告』による規則的な献金が望まれます。
以上の二つの内容は、キリスト者共同体と云う神殿を支える大きな二本の柱であると云えましょう。

成員の人々の心

そして、成員の人々の心の中に、次第に次のような意識が強くなって行く事でしょう。

「人間聖化式に参列する事は、自分にだけ意味のある事ではない。私は、コムニオンによって、最も聖なる存在であるキリストの体と血と一体と成る事が許される。まさに私は、キリストの体と血を『成す』いち『成員』として存在し始めるのだ。その事は同時に、人間聖化式を通して、この地上に生きる私達と結び付いた人々の為に、私達と結び付いている死者や聖化式を求めている死者達の為に、また共同体とかかわりを持っている人々を親として今生まれようとしている未生の子ども達の為に、そしてこの聖化式のとり行われる街や、その周辺に存在し活動している自然霊(四大の霊)や天使達の為に、今、この人間聖化式から大いなる力が輝き出る事を意味しているのだ。」

このように、成員は、自分だけが何か生きるうえで力になる事や、為になる事を受け取ると云う、いわば「宗教的エゴイズム」を克服し、人間聖化式のコムニオンの式次第にもあるように、
「‥‥どうか、この私をお受け下さい。」
(実際の式次第の言葉とは少し違います。原則として儀式の言葉は印刷しない事になっていますので)と、内的に云おうと努力する存在であると云えましょう。


成員に成るには

では、どのようにして成員に成る事が出来るのでしょうか。
成員に成る事を希望する人は、まず、司祭と話し合います。
そこで互いに知り合い、キリスト者共同体の本質と、その活動についての話し合いが持たれます。
そして成員に成る意志が確認されると、「成員名簿」に署名が本人によって成され、「成員証」(「クレド」と「我らが父よ」が収録されたもの)が授与されます。その後希望があれば「対話のサクラメント」がとり行われます。この「対話のサクラメント」は、人間聖化式でコムニオンにあずかる事で完結するのです。以上が成員に成る為の基本的プロセスですが、事情に応じて例外も生じ得ます。

キリスト者共同体は、日本の地で成長し存続して行く為に、多くの人々が成員と成る事を望んでいます。
今、もうすでに「キリスト者」である事が前提ではないのです。
今、「キリスト者」と呼ばれるにふさわしい人間に成ろうと云う意志が少しでもあれば、
そして今、生まれたばかりの日本のキリスト者共同体に愛情を感じていただければ、
それは、成員になるに全くふさわしい条件を満たしていると云えるのです。


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